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よく晴れた日だった。ユーリの学校の生徒達は、学校の近くの施設へと訪れることになっていた。
その施設は、いくつ退屈な機械が展示してあるだけの、10代の子達にとってはあまり楽しい場所ではない。
「ユーリ、筆箱ロッカーに入れっぱなしじゃない?」
先生が今日の見学について話している時に、ユーリは自分の筆箱を探していた。
「そうね、ロッカー見てないかもしれないわ」
「ペン貸そうか?それともアイヴンに借りる?」
友達のダーシャは、斜め前に立っていたユーリの意中の人をチラっと見る。
「もう、からかわないでよ。多分ロッカーにあるから見てくるね。先生に聞かれたらそう言っておいて」
まだ何か言いたそうなダーシャにそう言うと、ユーリは一人生徒達の列を抜けて、校舎の外にあるロッカーへ走った。
この時、この選択さえ間違っていなければ、ユーリはせめて何にも苦悩することなく楽に死ねたのかもしれない。
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