第一章 記憶消滅

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 目が覚める感覚と柔らかい良い匂いがした。 左腕に重みを感じた次の瞬間、頭が急激にガンガンと鈍い痛み始め目を開ける事を拒まれた。 全くもって思考がはたらかない。 かろうじて目をひらくと目の前にある光景に唖然とした。 自分の知らない部屋で寝ていた。 見回してみる。 この部屋は三畳ぐらいで1DKというところだろうか? 事件か何かに巻き込まれたのか? それにしては無防備にされすぎている。 記憶を掘り返したが頭も体もいうこときかない。 生唾をのみ状況把握のため重みを感じた左をみる。 すると見覚えの無いロングヘアーの美少女がおそらく裸で気持ちよさそうにすやすやと寝ている…。 正確には裸であるか確認出来ない。 この少女抱き癖があるようでなかなか離れようとしない。  俺、橘眞一郎は大学三年の平凡な学生で彼女いない歴=年齢で(本人的には)少しオタク傾向のある男である。 メガネ、暗い、地味。 告白すらしたことがない俺だ。 だからこそ、今なにが起きているのか全く状況が理解できない。 昨日なにがあった? 中学時代の同窓会に行ってその後…思い出せない。 必死に思いだそうとしたが昨日飲み過ぎがたたって記憶が無くなってしまったらしい。 今後の事を考えようにも二日酔いによる頭痛で頭がはたらく気配すらない。  ただ一瞬冷静なれた。 それは自分の方は服を着ているのだ。 それはそれで残念でもあり不自然でもある。 何かあったのなら自分も裸であるはずだ。
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