哀傷歌

一幕

「夕食だよー！」
おばさまの大きな声で私は目を覚ましました。

夕食の時間まで眠ってしまっていたようです。

おばさまの声に反応して、他の人が長屋を出て行く気配がします。
私は少し物怖じして、気配が消えるまでその場でじっとしていました。

気配が消えたので、立ち上がって部屋から出ようかしばらく悩んでいると、戸を叩く音がしました。

心臓が跳ね上がりましたが、私は反射的に
「はい！」
と返事をしていました。