第一章

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ここは泉坂高校。 ここら辺では名の知れた進学校だ。 この学校に、中野修一がいた。 今は二年の9月。 二学期の始業式真っ最中だ。 校長「えー、これから二学期が始まるわけですが、それぞれが有意義な二学期になるように・・・」 校長の究極に無駄に長い話は、まだ続く。 中野はこういう時になると、必ず仲西ほのかのことを思い出す。 自分の世界に入っていた中野は、校長の最後の話で現実に引き戻された。 校長「えー、後悔の無いように頑張ってください。」 「一同、礼!」 中野は頭をほんの少し下げたが、頭の中は校長の『後悔の無いように』という言葉が重くのしかかっていた。 中野(仲西・・・後悔は・・・とっくにしたよ・・・) 「これで始業式を終ります。なお、二年生は残るように。解散!」 たちまち二年生からブーイングがあがった。 しかし、そのブーイングも、先生の話を聞いたら、歓声をあげるだろう。 先生「今から、修学旅行の説明会をする。クラス毎に並べ。」 二年生は、先生が驚く程素早く並んだ。
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