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座っていて動こうとしない中野に、一人の男が声をかけた。
外山「中野、何してんだ?もう教室帰るぞ。」
中野「外山・・・」
コイツは外山ミキヒロ。
部活は中野と同じ映像研究部。
中野「ちょっと・・・考え事を・・・」
外山「ほのかちゃんのことか?」
中野「・・・」
中野は何も言えなかった。
外山「お前の気持ちも分かる。だがな、うじうじしたってしょうがないだろ?」
外山は中野に言葉を続ける。
外山「好きだったら、会いに行けばいいだろ?」
中野は外山には全部を話していた。
話さなければ、自分がどうにかなりそうだったから。
誰かに聞いてもらいたかった。
中野「別に、俺と仲西はもう何でもない。あかの他人なんだよ。」
外山「それでも好きなんだろ?」
中野「・・・ああ。」
外山「だったら何で?」
中野「・・・恐いんだ。」
外山「恐い?」
中野「ああ。もし仲西に彼氏が出来てたらって思うと・・・不安に押し潰されそうなんだ・・・」
外山「・・・」
外山は何も言えなかった。
外山「とにかく、教室戻ろう。残ってるの俺たちだけだし。」
中野「ああ・・・」
二人は教室に帰っていった。
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