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思わず感嘆の溜め息を漏らすと、シャルルが不思議そうな顔をした。
「どうしたシャルロット、ため息なんかついて?」
「いえ!なんでもございません…」
更に真っ赤になって否定するとアンヌが口を挟んだ。
「嫌ですわ、シャルロットはお兄様を見ていて思わず見惚れてため息をついたのですわ」
「アンヌ様!!」
咎めるようにアンヌの名を呼ぶものの、恥ずかしくてシャルロットは益々首を下に下げた。
顔が熱い…。
胸も苦しくてどうにかなってしまいそうだった。
最近シャルルの声を聞いただけで思わず逃げ出したいような、もっと聞いていたいような奇妙な感情に襲われる。
名前を呼ばれるだけで心臓が壊れそうなほど高鳴るのだ。
これが恋というものなのだろうか…。
「まるでお兄様に恋でもしているようね?」
からかうように言ってアンヌは笑った。
思っていた事を言い当てられてシャルロットは胸を押さえながらちょっと恨みがましくアンヌを見た。
そんなにはっきり言葉にしないで欲しい。
多分これが恋というものなのだろうと本当は自分でも分かっているつもりだ。
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