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早妃は
必死に、そのガラス戸まで這った。
「ゴホッ…ゴホッ…ゴホッ…」
(お願い…開いて…)
祈るような想いで
ガラス戸に手を伸ばした。
ガラッ…ガラガラガラ…
戸は…開いた。
這い蹲りながらも
何とか外に出ることが出来た早妃は
(助かった…でも…何で私だけ?)
そんな事を思っていた。
外の空気を胸一杯に吸い込んだ早妃は
恐怖から解放された安堵で
その場で、気を失った。
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