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ピーー
母『えっ?』
機械が零を示すと物凄い嫌な音が病室に鳴り響く…
『12時01分…
御臨終です…』
医者は彼の目を指で開き、ペンライトで瞳孔を見てそう言った…
『あぁ…、私たちを置いて行かないで、私も一緒に連れてってよ、ねぇ何か言ってよお願い…』母はそうそう言いながら息子の頬を叩き、呼吸機を投げ、シーツをめちゃめちゃにして病室を取り乱した
もう涙で顔が真っ赤になり、化粧もボロボロだ
でも心はもっとボロボロだったに違いない
『本当にごめんね…父さんは何一つ父親らしい事してやれなかった…いつも勉強しろやら、遊ぶなだとか言ってたけど殆どお前と関わっていなかったな…
お前の為とか言いながら全部自分の見栄のためだった…こんな俺は父親失格…いや、人間失格だよ』
いつも頑固で真面目な父親だったが始めて弱みを見せた。とは言え自分の息子には見せられずに終わった。
そして泣きながら点滴で自分の首を締め死んでやると叫んでいた
みんなの泣き声が部屋を包みこんだ
そして、誰も携帯の着信音に気付かなかった…
いや、涙の中で気付けなかったんだろう…
更に、こんな彼の両親を見ていながら携帯の事など頭に入らないのだろう…
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