9人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
わからなかった
母が私を生んだ理由も
私が生まれた時に離婚した理由も
『どうして、私…』
幼いながらに考えてた
『私…どうして、生まれてきたのかな…』
誰にも言えなくて、誰にも答えてもらえなくて…
自分がわからなくて、怖くなる
“あんたが不幸を持って生まれてきたんだよ!”
やっぱり、そうなのかな…
“あんたが生まれた所為で、上の子は片親しかいなくて淋しい想いをする事になったんだ!”
でもね、それ、私もだよ…?
“あんたがいなかったら、そんな事にならなかったかもしれないのに!”
私がいる所為…なんだね…
そう思った…そう考えた…そう、信じた
だからこそ、痣も爪痕も甘んじて受け入れた
ピシ、ッ
頭の中で、心の何処かで、、自分自身でもわからない深くて暗くて…冷たい何処かで
硝子に、罅がはいるような音が…聞こえた気がした
最初のコメントを投稿しよう!