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その行為でよくわかった。なんだ、やはり嘘なのではないか。
お前にはあの子がいる。
なのに、何故今俺にそんなことを言うんだよ、
「俺は、お前だけだ」
「うそつき」
軽く返してみたら、思った以上の凄みであの瞳孔が開いた目で睨まれた。
なんだよ、俺は只、彼女(この場合は彼氏と言うべきなのか、どうなのかは本当にどうでもいい。)(そのポジションは俺じゃないから)がいる奴にそんなことを言われたくないって言ってるだけで。
「坂田、すきだ」
「だから、」
「好き、なんだよ…」
…なんでだ。
何故お前がそんな顔をするんだよ、まるで親に捨てられたような、途方に暮れたような泣きそうな顔を。どちらかというと、俺が泣きたいよ。
好きだと思った奴に、自ら浮気相手になれと言われている、俺が。
「おおぐし、君」
「なんでわかってくれない」
「…わからないよ、」
ここまで悲痛な声で言われると、本当に信じて良いのかと思えてくる。
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