盲目のシンデレラ

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「窓際にいたんだ。」 あたかもネズミが窓際からシンデレラの手に飛び乗ったかのように言う。 「まあ、そうなの。今日は良いお天気かしら?」 シンデレラはネズミの頭を撫でながら訊ねた。 男は頷くと、 「洗濯日和だよ」 と答える。 「良かった、洗濯が出来るわ」 シンデレラは言って、ネズミをそっと床に下ろした。 ネズミはどこかへ行ってしまったがシンデレラは気づかない。 「ネズミさん、ちょっと待っていてね。後で朝ご飯をあげるわ」 シンデレラは笑んで仕事に取りかかった。 男は窓から外へ出ると 「それじゃあ、後でまた来るよ」 と言って出かけて行った。
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