盲目のシンデレラ

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「それで問題があるところをお切りなさい」 囁く男の声はシンデレラには聞こえない。 しかし2人の姉と継母は目を見開いた。 この男は何を言い出すのか…… 「あんた…馬鹿じゃないの?」 「そうよ。お姉様の足を切れって言うの?」 姉たちは男を睨む。 しかし男はあっさりと頷いてみせた。 「靴に足が入れば゙シンデレラ゙なのでしょう?ならば入れればいいのです」 男は継母に視線を移し、笑った。 「城で暮らすようになれば歩く必要もないでしょう。」 継母はその言葉に納得した。 確かに男の言う通りだ。 継母は短剣を次女の手から抜き取った。 「お、お母様…?」 「何を…」 姉たちは短剣を片手にする継母を見上げた。 「声をあげませんように。家来たちにバレますよ」 男はくすっと笑った。 「お母様!」 「静かになさい。この男の言う通りです。踵くらいなんですか」 そう言うと、継母は長女の口を次女に塞がせた………
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