盲目のシンデレラ

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「失敗したみたいですねぇ」 男は再びシンデレラの耳を塞いで呟いた。 「望みの綱は次女様だけですねぇ」 「どうして耳を塞ぐの?ネズミさん」 シンデレラはきょとんとした顔で男に訊ねた。 「それはね、嫌なものをシンデレラが聞かないようにするためさ」 男は僅かに手を浮かせて答えた。 そしてまた耳を塞ぐ。 「さあ。次女様の問題はどこです?」 男は先を促した。 恐る恐る次女は靴に片足を入れた。 爪先が突っかかる。 「どうぞ?」 男は継母に笑んだ。 「お前はもっとしっかりおやり。」 そう言うと、継母は長女をたたき起こし、次女の口を塞がせた。 ダンッ!! 継母は短剣を振り下ろした。 次女の足の指が一本、また一本と床に落ちて転がる。 そしてまた傷口にガーゼを当て、ストッキングを履かせると、靴を履かせ、次女を客間へ行かせた。 男は満足そうに笑うと、シンデレラの耳から手をどけた。 シンデレラはきょとんと男を見上げ、首を傾げた。
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