盲目のシンデレラ

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次女は客間へ入ると、家来たちに靴を見せた。 「…どう?…ぴ、ピッタリじゃなくて…?」 「おぉ!」 家来たちはまた目を輝かせるが、今度はよく確認をした。 「念のため、靴を脱いでみてください」 家来の提案に、次女は気を失った。 「偽物ばかりだな。」 「この娘は爪先を切り落としたのか」 「馬鹿なことを…」 家来たちはため息をついた。 「もうこの家に娘はいないのですか?」 家来たちは呆れた眼差しで、やって来た継母を見た。 「え、ええ…」 継母は頷く。 家来たちはそれを見て立ち上がった。 「まだもう1人いますよ」 男がシンデレラの手をひいて出て来る。 シンデレラの灰まみれのみすぼらしい格好に家来たちはため息をついた。 「まあ、いい。娘。こちらへ」 家来の1人がぶっきらぼうに言う。 男はシンデレラの手をとり、靴に歩み寄った。 「シンデレラ、足を少しあげて」 シンデレラは男の言葉に、足を床からはなした。
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