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それから数日後。
城では結婚式の支度が行われていた。
『全部あんたのせいなんだから結婚式くらい招待しなさい!』
姉たちから届いた手紙を侍女に読んでもらった、シンデレラはすぐに招待状を送るよう侍女に頼んだ。
「あ、それと…サンドリヨンさんにも…」
シンデレラはおずおずと侍女を見上げる。
゙盗人サンドリヨン゙の評判はあまり良くない。
今は仕立て屋に勤めているのだが、犯した罪は消えないようだった。
「シンデレラ様…゙盗人サンドリヨン゙を結婚式に招待することは許されないかと……」
侍女も申し訳なさそうに答える。
「でも…私がこうしていられるのは全部ネズミさんのおかげだもの……」
シンデレラはぽつりと呟いた。
男がネズミではないことは聞いて知ったが、やはり゙ネズミさん゙のほうが親しみやすい。
侍女は少し考えると、「では…」と口を開いた。
「こっそり出席するようにおっしゃってくださいね」
そうした約束で、シンデレラは男に手紙を出した。
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