盲目のシンデレラ

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「数日後に城で舞踏会があるよ、シンデレラ」 男はポケットの中のネズミが逃げ出さないように、自宅から持ってきたチーズを少しポケットに入れながら言った。 「まあ、それは素敵ね。きっとたくさんの王族や貴族の方々がお集まりになるのでしょうね」 シンデレラは空想に目を輝かせながら言う。 「シンデレラもお行きよ」 男が言うと、シンデレラはくすっと笑って首を振った。 「行かれっこないわ、ネズミさん。だって舞踏会は王族や貴族の方々しか招待されませんもの」 男はそれを聞き、 自分だって金持ちの貴族だってことを忘れてる… と、胸の内に呟いたが、無理もなく、本題へ入った。 「今回の舞踏会はちょっと違うんだ。王子がいるだろ?王子の花嫁に相応しい娘を探すために開かれる舞踏会なんだ。」 男はちらっとシンデレラを見る。 シンデレラは驚いた表情を見せていた。 男はにっと笑うと、 「娘なら誰でも舞踏会へ行ける」 と囁いた。
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