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町人『やぁ、旅人さんまだいたのかい。最近、黄巾賊が出始めているから気をつけな』といって去って行った。
青年『ご忠告ありがとう』この青年の名を〔劉備〕字を〔玄徳〕と言い〔たく県〕で母と二人暮らしをしている。
???『おい!こんな所で何をしている。まさか黄巾賊の仲間じゃあるまいな』
劉備『お役人ですか。僕はただの旅人で洛陽船を待ってたんです。』
役人『なんだと!誰か知人でも船に乗っているのか?』
劉備『いいえ、お茶を買いたいんです。』
役人『お茶だと!』
この当時、お茶は重病人かよほどの高貴の人でないと飲まれなかった。
それほど高価で貴重品だった。
役人『誰に飲ませるのだ?重病人でもいるか?』
劉備『病人ではありません。ただ母に一度飲ませてあげたかったのです。』
役人『それなら、なおさら気をつけることだな。最近、この辺りまで黄巾賊が出始めてるからのう』
劉備『ありがとうございます』
数時間後、洛陽船が現れ劉備は急いで都に向かった。
劉備『もしもし、洛陽船の船主はどなたです』
劉備は船主に、お茶を売ってもらえるかを話し合い無事にお茶を手に入れた。
劉備『すっかり暗くなったなぁ…今夜は、この村の宿を取ろう…!!あの星が今夜も顔を出したか』
その星は昔から世の中が乱れる凶兆だと言われている。劉備の不安な予感は的中した。
商人や洛陽船を狙って黄巾賊が襲って来たのである。
亭主『お客様、お逃げなさって下さい。』
劉備は父のかたみである刀を手に取る。
亭主『お客様、おやめなさいませ。』
劉備『これを黙って見逃せと言うのか!!』
亭主『そうではありません。あなたひとりで何ができますか?相手は百人の賊、それに何万と仲間がいるのです。悪いことはいいません今のうちにお逃げになってください。』
劉備『…わかった』
劉備は宿の裏口から森へと逃げた。
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