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「ごめんね…突然すぎたもんね?‥ごめんね…」
ヒック‥ヒグ…
ああ、次はしゃっくりか…
巧妙なもんだ。
「では、失礼します」
ガチャ
「待って」
ガチャ
閉めた扉をまた開ける。
「断った理由だけでいいから…教えてもらえない?」
目を赤くしながら涙をボロボロ流している。
どうやったらこんなに涙を流せるんだ?
「ねえ?」
やっぱり影で訓練とかしてんのかな?
「あぁ、騙されたら困るからだ…」
ピクッ
彼女が胸の前に置いている手が少し震えたような気がした。
「そう…だよね‥ごめんね?」
「はい。では、また明日」
「うん‥」
ガチャ
「はあ~」
玄関を閉めて、やかんを確かめると、時間が経ちすぎたのか?沸騰したはずのお湯は冷めてぬるくなっていた。
「はあ~」
ヒグッ…うっ‥ヒグッ
玄関の外からはしゃっくりと嗚咽が聞こえてくる。
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