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コポコポ
ケープとかいうスーパーでただで貰える水を沸かし、紅茶を淹れた。
ヒグ…ヒクッ
リビングで飲んでいても泣き声が聞こえてくる。
やかましい…
あぁやかましい
やかましい…
…
我ながら下らない俳句を作ってしまった。
うわ~んうわ~ん
外から聞こえてくる泣き声がさらに大きくなった気がした。
だがそれより大きな声が外から聞こえてきた。
「ちょっと!!どうしたの!?」
たしか…右隣の家のおばさんの声…だったかな?
「ヒグっ…ふられたんです…うわ~ん」
余計なこと言いやがって…
「この家の人に?」
さらに余計なことを…
「はい」
「無理ないわね、ここの人…冷たい童貞って有名なのよ」
ブハー!!
俺はベタなことに飲んでいた紅茶を吐き出した。
ひどい言われようだ…事実だがなんか童貞という言葉が汚い。
もっと綺麗な言葉で言ってくれよ…せめて清楚って言えばいいのに…
「家で休んでく?」
「ありがとうございます」
さっさと行け。
「でもなんか力抜けて立ち上がれないんです」
なんだって?
「私が運んであげるわ」
よし
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