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ガバッ!
鐘がなったその時、行き倒れ人がバネでも仕込んでいるのかと疑う位の勢いで起きた
ビックーン!
急な出来事に反射的に硬直するリィ
その驚きようは静電気でビリッとなる時の比ではなかった
「鐘の音?やべ!天国?」
少年はキョロキョロあたりを見渡す
「あ、でも俺死なないしな」
カラーン♪
頭を打ったのか、変なこと言う行き倒れ人と、その行き倒れ人を訝しげに見るリィ
「哀しい音だ」
「え?」
彼の言ったことに驚く
リィも全く同じことを思っていたからだ…
ふとまだ名乗っていないことに気付く
「具合はいかがですか?―私の名前はリィです」
「ブルース?」
速攻突っ込まれる
しかし少年は悪気はなく、素で言っていた
「違いますι」
「リィはえらい人?」
「は?」
初対面の、しかも偶然出会った人に言われたら、リィでなくとも閉口するだろう
ーもっとも、リィの場合は開いた口を閉じられないでいたが…
もしかしたらヤバい人を拾ってきてしまったのかも知れないという一抹の不安がリィの頭をよぎる
「いきなりなんですか?」
眉を寄せてリィが聞いた
すると、変な言動をしてた先程とは打って変わり、行き倒れ人はその焦茶色の瞳でリィをまっすぐ捉えた
「多くのものを背負っている人に似たものが君にもあったから」
部屋中にぎこちない沈黙が充満する
「…君は」
ぐるるるるるるるる~
空気を読まない元気な腹の音が鳴り響いた
「腹減った」
「…私もです」
少年はニカッと笑ってベッドから出た
「俺デ…ゆうり!なんか食いに行こうよ」
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