死の臭い

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俺の体の震えは止まなくて、床に座りこんだ。 「‥ぃってぇっ」 ズキン ズキン さっきからやたらと手が痛む。無理矢理剥いだから傷口に当たったのだろうか? もう、手を見たくなかった。また髪の毛やらなんやらが付いてたら‥。 「‥はぁ‥っ‥」 膝を抱えて座っていると‥ 「愁斗‥?ごはんよ」 お母さんが不思議そうな顔をして見つめている。 「なぁ、これ火傷かな?」 俺は手の平を開いた。 すると、母からは思いがけない言葉が返ってきた。 「火傷‥?なんともなってないじゃない、」 「‥‥え?」
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