二条里邸

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二条の定子の里邸は訪れる公卿も少なくひっそりとしていた。 「そう、小納言あなたも退出するのね」 悪阻のせいかいつもより頼りない風情の中宮様はそれでもうっすらと微笑んだ。 自他共に認める定子の腹心の女房清少納言は、今この時に退出せねばならない我が身を恨めしく思った。
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