二条里邸
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「退出はしてもいいわ、小納言。その代わりに枕草子は書き続けるのよ」 定子中宮は清少納言の書いた読み物を大層お気に入りになられていた。 「中宮様、あれはもうお忘れ下さいませ。されど、あの駄文を覚えていて下さっていて嬉しうございます」 中宮様はつらそうに体を起こし小納言に近づくように言い、人払いまでなされた。
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