前夜

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詮子は扇で膝を打った。 我が姪とはゆえ鋭い眼をむけるのは女の嫉妬とゆうものか… 我が姉詮子は夫である円融帝の女御だった。第一の男皇子を上げたが中宮の地位はついに望めなかった。 自身の誇りを守るあまり、愛されない我が身に怒りを燃えたたせた。詮子は帝の御所にはもどらず里に籠もり我が子一条帝の御代をまった。
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