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次の日学校に行くために駅に行くと、改札の脇に詩織が立っていた。
誰かと待ち合わせ?
一昨日も、友達とこの駅で待ち合わせしてたもんな…。
俺はあまり関わりたくもなかったので、素知らぬ顔で改札を通りホームへ向かった。
ホームに着き電車を待っていると、不意に背後から肩をトントンと叩かれた。
振り向くとそこには笑顔の詩織が居た。
『先生おはようございます。』
詩織はそう言って、ぺこりと頭を下げる。
『おはよう。』
挨拶を交わし直ぐに正面を向いた。
『先生冷たーい!』
俺の顔を下から覗き込み、いつの間にかちゃっかり隣へ移動していた。
その時…
「間もなく2番線に電車がまいります。白線の内側に下がってお待ちください。」
ホームにアナウンスが流れる。
少ししてホームに電車が到着した。
通勤ラッシュで人がごった返している。
満員の電車に乗り込む。
一瞬、見失ったと思っていた詩織が、俺の真ん前に居た。
電車のドアが閉まり、発車して間もなくの事だった…。
………?
誰かが俺の手を握っている?
まさか……。
詩織を見ると、満面の笑みで俺を見上げていた。
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