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一体コイツは何がしたいんだ?
繋いだ手を振り払おうと試みるが、満員で身動きが取れず中々、離す事が出来ない。
なるべく周りに聞こえない様に、詩織に小声で訴えた。
『手を離しなさい。誰かに見られたらどうするんだ。』
一応、辺りを見渡し他の生徒が居ないか確認をする。
パッと見た感じ他の生徒は居ないみたいで、少し安心をした。
『大丈夫♪この満員じゃ、バレないよ。』
それもそうか…って違うって!!
危うく納得するところだった。
『そう言う問題じゃない。早く離しなさい。』
『はーい…。』
そう返事をすると、渋々繋いでいた手を離した。
やっと学校の最寄り駅に着き、詩織と満員の電車から解放された。
詩織から逃げるために人混みに紛れ、足早に改札を出る。
上手く撒けたみたいで、一安心した。
また詩織に捕まりたくない俺は、急いで学校に向かった。
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