詩織

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朝から色々あったけど、何とか1日が終了した。 今日は特に残業する必要もない為、帰り支度をし先生方に挨拶をして職員室を出た。 靴に履き替え、駅に向かう。 『田崎先生ー!』 校門を出て直ぐ、後ろから俺を呼ぶ声が聞こえ振り向くと、走って来たのか息を切らした浅井先生が居た。 『あの…俺、何かしました?』 『ちっ違います!姿が見えたんで駅まで一緒にと思って。…駄目ですか?』 『アハハ♪良いですよ。』 俺達は下校中の生徒に混じり、肩を並べて駅まで一緒に帰った。 『そう言えば、浅井先生っておいくつなんですか?』 『今年27になります。って言うか、女性に年齢聞くのは失礼ですよ♪』 そう言ってフフッと浅井先生は笑った。 朝も思ったけど、可愛らしく笑う人だなぁ…。 『以後、気を付けます。』 2人で顔を見合わせて笑った。 談笑して歩いている内に、気付けば駅に着いてしまった。 もう少し話していたい気分だったが、浅井先生が「じゃあまた明日。」と言ったので、そのまま改札の前で別れた。 あぁーあ…… 帰っちゃったよ…… 残念な気持ちで俺は、自分の乗る電車のホームへと向かった。 .
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