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その時、待っていた電車がホームへと入ってきた。
詩織の事が気になったが、どうせ一時の気の迷いか憧れを好きと勘違いしているだけだろうと思い、放っておく事にして電車に乗り込み家へと帰った。
次の日の朝、家の最寄り駅に着くと詩織の姿はなかった。
諦めたかな…。
心のどこかで寂しく感じたが、その想いは奥底にしまい込んで学校へと向かった。
職員室に着き、自分のデスクに荷物を置き、必要な物を用意して一息吐く。
『田崎先生おはよう。何か疲れてる?』
声のする方に振り向くと、佐々木先生が立っていた。
『少し…張り切りすぎました。』
苦笑いして答えた。
『最初はみんなそうだよ。まぁ、無理はしないようにな。』
『はい。有り難うございます。』
『おっ!時間だ…行こうか。』
俺と佐々木先生は職員室を出て教師へと向かった。
『はい、みんな席に着けー。』
佐々木先生は教室の戸を開けると同時に、生徒を席に着くように呼び掛けた。
それに反応して、生徒達は急いで各自席に着く。
その中に、詩織の姿があった。
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