393人が本棚に入れています
本棚に追加
掴まれた先を見ると、さっき助けた女の子が何か言いたそうに、目をウルウルさせながら俺を見上げていた。
それは反則だろう…。
そんな風に見られたら行けないじゃん。
『何か?』
『あっ…あのー。』
『うん?』
優しく問い掛ける。
『映画行きませんか?』
『映画?』
『友達と行く予定が来れなくなっちゃって…。御礼に映画奢りますから!ダメですか…?』
また目をウルウルさせながら…。
断る事、出来ないじゃん。
『俺は田崎 拓人。君は?』
『私は中村 詩織(ナカムラ シオリ)です。』
『じゃあ行こうか。』
そう言って俺達は映画を見に言った。
でもこの出逢いが俺の何事もなかった人生を、大きく揺るがすとは知る由も無かった…。
.
最初のコメントを投稿しよう!