02―恐怖の幕開け―

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春季は自分の後ろの席から 小さな寝息が聞こえるのに気づいた。 確か後ろは森本真琴(女子20番)と谷村真二(男子9番)の カップルだったと思う。 2人はとても仲が良かった。 毎日一緒に登校して、一緒に帰る。 休みの日は必ず一緒にいて、 いつも真琴が引っ付いている。 羨ましいくらいだ。 「谷村~真琴寝ちゃったの?」 これはきっと中川郁美(女子11番)の声だろう。 郁美は真琴ととても仲が良く、 隣に座るのはあきらめたが 後ろの席は譲らなかったのを見た。 「うん。なんか昨日眠れなかったらしい。」 真二が答えると、 郁美は何かボソボソと言い、 声が聞こえなくなった。 「ん~・・・私眠いかも」 美咲の隣で玲央奈が目をこすった。 「私も…昨日遅くまで準備してたからかな」 「ちょっと寝るねー」 凛や美咲、理央までもがそう言い出した。 さっきまで大声で話していたのに・・・ でも、そう言われてみると さっきから体が重い… 春季自身も眠気に襲われていたのだ。 頭がぼーっとする中春季は椅子にもたれて外を見た。 すぐに、夢の中へ入っていった・・・・・
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