02―恐怖の幕開け―

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言うことを聞かない凛に、兵士は銃を向け、 そして2発撃った。 凛の額に穴が2つ開いたのがわかった。 凛は涙を流しながらフラフラとし、そして地面に倒れた。 すぐに凛から流れた血で小さな水溜りが出来る。 ツンと、変な臭いもする。 春季は震えた。 隣にいる理央も震えていた。 凛はかつて、リストカットをしてしまっていた。 いつも5人で笑っていてもどこかで不安を感じていて、 それが積もりに積もってしてしまったという。 それに気づいたとき、 春季ら4人は何度も凛に謝った。 凛は 「私が、弱いせいだから。  みんなのこと大好きなのに、信じられなかったの。  私こそ、ごめんね」 しかし、4人は「そうじゃない」と言い、 泣きながら謝った。 その日から凛の腕には傷は増えなくなり、 いくつか残っているけれど(一生傷というやつだ) 傷もなくなり、心から笑うようになった。 そんな凛はもう…いない・・・
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