02―恐怖の幕開け―

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「り・・・・・ん・・・・・・」 春季は震えながら、凛に近寄ろうとした。 理央らは固まっていた。 「会わしてやったんだ」 と、兵士は言った。 春季は反論しようとしたが、晶に止められた。 そのとき、教室の後ろから 「凛!」 と言って、久本信哉(男子16番)が駆け寄った。 「お前ら・・・・俺の・・・・俺の大事な・・・!」 凛は最近彼氏が出来たと言っていた。 誰かと聞いたとき、 「修学旅行のときさ、教える。  そのときにみんなをビックリさせるの!」 と言っていた。 きっと、信哉だったのだ。 「えー・・・久本くん。君も座ろう」 しかし、信哉も座らなかった。 みんなの目なんて気にしないで凛を抱きしめた。 信哉の制服に赤いしみが広がっていく・・・ 「・・・・こうするしか、ないんだね」 男はそう言いながらポケットを探り、リモコンを取り出した。 そして信哉に向けて、スイッチを押した。 「凛・・・死ぬなよ・・・俺を・・・俺・・・・」 信哉は途中で言葉をとめた。 自分の首輪から何か音がしているのだ。 ピッピッピッピッピッという電子音。 その音は春季にも聞こえていた。 「なんだよ・・・これ」 男は何も言わない。 信哉は何を感づいたのか、凛を抱いて立ち上がった。 電子音は早くなっていく。 そしてそのまま窓から飛び出したのだ。 ガラスが割れる音と同時に小さな爆発音が聞こえた。 教室の中の生徒は何が起こったのかわかってしまい、 凍り付いてしまった・・・ 女子21番  山田 凛 男子16番  久本 信哉    ・・・・・・死亡 【残り43人】
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