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春季はまた震えた。
どこかにまだ友香を殺した人間がいると思ったからだ。
やっぱり玲央奈を待つなんて出来ない!
そう思い春季は走った。
すごい音を立てていようが気にならなかった。
そのとき、何かが春季の横を横切った。
木に刺さったその何か・・・・矢…?
振り返るとそこには息を切らした浅田空(女子1番)が立っていた。
「あ…浅田…さん」
春季はこおりついてしまった。
空は自分の武器を構えている・・・
空とはあまり話したこともなく、どんな人間なのかわからない。
けれど、いつも笑っていたような・・・・
「ごめんね!瀬川さんよね?私、怖くて・・・つい」
空は武器を下ろして近づいてきた。
春季は武器が下ろされたので安心した。
「いいよ。誰だって怖いだろうしね」
「ごめんね・・・」
空は何度も謝り自分の武器を見せた。
「これが中に入ってたの。ボウガンみたいね。
で、こうやって使うの」
空はまたボウガンを構えた。
それは春季に向けられたが、すぐに近くの木へと撃たれた。
そして空はニッコリと笑って「こんな感じ」と言った。
「瀬川さんは何支給されたの?」
「あ…私まだ見てない。待って」
春季はデイパックを開けた。
中にはパンが3つ、水の入ったボトルが2本、地図、コンパス、ライト、ペン、そして・・・・・・・
「瀬川!伏せてろ!!」
突然の声に慌てたが、とっさに伏せた。
何かゴツッという鈍い音がして空が倒れた。地面にはライト…
そして、それを投げたのは・・・・
「お前には当たらなかったな?」
あの神田晶(男子4番)だった・・・・
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