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本田真(男子18番)は泣き出しそうだった。
今目の前に転がっているのは、
体中に穴が空き、赤く染まった制服を着た藤本優希(女子18番)の姿だった。
これはもう…制服とは呼べないかもしれない。
その近くには氷川恵(女子16番)の姿も確認できた。
彼女もまた死んでしまっていた…
2人は親友だった。
一緒にいたところを殺されてしまったのだろうと、真は予測した。
真は優希に会うために、咲季や歩が死んでいくのも見ているだけだった。
会えればよかった・・・・・・
なのに、会えたら優希は待っていてくれなかった…
真はそっと優希に近づいた。
「藤本さん、俺ずっと言えなかったけど藤本さんが好きだよ。
あんまり話したこともないしさ、『?』だろうけどそうなんだ。
ずっと見てたよ。それだけ覚えておいてくれ。」
もう返事をするどころか、真の言葉に答えてくれない優希に真は話した。
そして優希の体を抱っこして歩き出した。
「ごめん…親友と一緒がよかったかな…
けど、一緒がいいんだ。」
その後、真は一言も話さずゆっくり、ゆっくり歩いた。
誰かに見つかりそうない場所を選んで“目的地”を目指した。
そして、さきほどまでいたところとさほど離れていない崖まで来て口を開いた。
「藤本さん・・・・・好きだ。ありがとう・・・・・・」
そう言って真は優希と一緒に崖の下へ消えていった・・・・・
男子18番 本田 真 ・・・・・・死亡
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