11人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
やり取りの間にも、夕充の手の平の光は増し、直径10cmほどの光球が出来ていた。
ゆっくりと光球は大きくなっていく。
「……建由を、……殺さないでくれ」
切なる願いだった。
一方の夕充は、何を言われたのか解らなかったのか、キョトンとしている。
一瞬の後、夕充の笑い声が洞窟内に反響した。
「何言い出すかと思えば……。僕、今建由を殺すって言ったっけ?」
お前ならやりかねないだろ、とはさすがに口にしなかった。
しかし、これで最悪な状態で建由の身柄を返されることだけは、可能性からなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!