第一章 転校生
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「見つけた……。……やっと、…………やっと見つけたんだ……」 放心したように呟かれた少年の声は、雑踏の中で聞こえた者はいなかった。 少年は徐々に喜びに満ちた表情になると、視線を向けた方向とは逆、つまり元来た道を戻り始める。 それは初冬の、肌寒くなり始めた時期だった。
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