第一章 転校生

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学校に着き、教室に入ると何やら騒がしい雰囲気に気付いた。 新学期の、それもクラス替えが行われてからの初登校など、案外こんな雰囲気なのかもしれないが、耳を傾けてみると話題の中に「転校生」という単語が聞こえてきた。 由梨は自分の席を探して鞄を置き、近くにいる友人に声を掛けてみる。 「おはよう。転校生って聞こえたけど、転校生が来るの?」 率直に訊いた。 「おはよう。そうみたいだよ。さっき私たちの担任になる三笠が、違う高校の制服を着た生徒を、連れてたの見たって」 笑顔で教えてくれた友人に礼を述べると、由梨は教室内を見回した。
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