第一章 転校生

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高校入学後、よくつるむようになった高橋 悟(たかはし さとる)を探したのだ。 クラス表で、同じクラスであることは確認したので、いてもおかしくはないのだが、まだ登校していないのか姿が見えない。 教室の時計を確認すると、始業間近だ。 始業式早々、遅刻する気なのかと思うと、由梨は呆れの溜め息が自然と漏れた。 仕方なく席に腰を降ろす。 間もなく始業ベルがなり始め、周りの雑談をしていた連中も、各々席につき始める。 その時、廊下を走る足音が近付いてきて、ベルが鳴り終わると共に、教室の前の扉が勢いよく開けられた。
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