序章

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「へぇ……。そういう事言える立場なの? 僕の足元にいるのって、誰だっけ?」 からかうように笑いを含んだ人物が、自分の足元に視線を向ける。 そこに、人が倒れていた。 完全に気を失っているのか、ピクリとも動かない。 男は楽しそうに、足元の人物を爪先で小突く。 「やめろ!!」 静止の声に素直に従うと、男は再び口を開いた。 「じゃあ、封印解いて」 無邪気に言ってくる男だが、言われた方の男は答えることが出来ずに唇を噛み締める。 しばらく沈黙が流れた。 先に痺れを切らせたのは、要求する男の方だった。
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