序章

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建由というのは、男の足元に倒れている人物の名前か……。 図星を指され、返す言葉もない聖剣。 しかし状況から察するに、男は明らかに最初から建由を人質として、聖剣を脅している。 つまりわざわざ確認をしなくても、男は知っていたのだ。 その確認をするということは、男の性格が悪いことを伺わせる。 「ねぇ、建由を助けたいんでしょ? だったら封印解いてよ」 言動の内容は、間違いなく脅しのはずなのだが、この男の口調は常に明るく陽気だ。 この状況を楽しんでいるから出来る芸当。 裏を返せば、男の言動は全て本気と受け取れる。
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