序章

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……本気。 男の気分を損ねれば、躊躇いなく建由の命を奪うということ……。 この男にとって、人の命は自分の玩具同然だ。 外見こそ二十代前半といったところだが、中身は外見の半分以下の年齢である事は間違いない。 建由の利用価値がなくなれば、すぐに始末してしまうような……、そんな男だった。 男と聖剣の膠着状態は、すでに三時間に及んでいる。 ……そろそろ、男はこのやり取りを面倒臭く感じ始めているはずだ。 最初から、選択の余地などなかった……。 男に目を付けられ、拘束され、人質まで捕られた時点で、答えなど一つしかない。
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