11人が本棚に入れています
本棚に追加
「聖剣? 聞こえてないわけないよね? 早く答えてよ」
どこまでも、言ってる内容と口調が一致しない男だ。
聖剣は固く唇を噛みしめると、やっとの思いで口を開いた。
「……わかった。……封印を、……解く」
そう言うと、聖剣は脱力した。
……今、聖剣が口にした事は、建由を裏切る発言である。
それは、聖剣とて最初から判っていた。
しかしこの判断をしなければ、建由を助ける道がなかった……。
次、建由が目覚めた時、聖剣と敵対することになってでも、助けたい命。
聖剣にとって、それほどまでに建由は大切な存在であった。
最初のコメントを投稿しよう!