序章

8/13
前へ
/56ページ
次へ
「聖剣? 聞こえてないわけないよね? 早く答えてよ」 どこまでも、言ってる内容と口調が一致しない男だ。 聖剣は固く唇を噛みしめると、やっとの思いで口を開いた。 「……わかった。……封印を、……解く」 そう言うと、聖剣は脱力した。 ……今、聖剣が口にした事は、建由を裏切る発言である。 それは、聖剣とて最初から判っていた。 しかしこの判断をしなければ、建由を助ける道がなかった……。 次、建由が目覚めた時、聖剣と敵対することになってでも、助けたい命。 聖剣にとって、それほどまでに建由は大切な存在であった。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加