序章

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聖剣の答えに、満足そうに笑みを浮かべると、男は建由の上に手をかざした。 男の手の平が淡く光り出したのを見て、聖剣は男が何をしようとしているのか察した。 「……どういうつもりだ。夕充(せきじゅう)」 男に向かい、聖剣が不愉快そうに問い掛ける。 「どういうって。僕、聖剣の事信用できないからね。一応保険だよ。ちゃんと封印解いてくれたら、建由は返すから」 この夕充という男は、一度口にしたことは覆さない。 だからこそ、今この場で言われたことに一瞬安堵するが、胸の中に不安がよぎる。 ……どのような状態で返すと言っているのか。
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