野球部のない高校

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陸達が食堂に着くと既に晴紀が昼食を購入していた。晴紀の手にはお盆がありその上に丼がおいてあった。 晴紀「よう、遅かったなぁ。」 陸「よく、そんなに早く買えたもんだな…」 晴紀「いやぁ、けっこう空いててさぁ。すぐに買うことができたのさ。」 陸「しかし…昼食があっても食べる席がなきゃ意味がないな…」 食堂にある席はほとんどがもうすでに満席であった。 晴紀「早く席に座りてぇ…オレのきつねうどんが冷めてしまう…」 どうやら晴紀はきつねうどんを買っていたようだ。 陸「とりあえず、空いているところがないか探そう。」 里香「そうね。早く昼食を食べないと次の授業に差し支えがでるからね。」 晴紀「陸~里香~頑張って探してくれよ」 里香「あんたも探すの!!あんたも!!」 晴紀「はいはい」 陸達は席を探すがやはりどこも満席であり4人も座れる席はもう残っていなかった。 晴紀「あー…オレのきつねうどんがどんどん冷めて伸びていく……」 里香「いいからあんたは黙って探しなさい!!」 晴紀「へいへい……って、あそこかなり席空いてないか?」 晴紀はその席がある方向を指さした。他の3人もその指が指している方向を見た。そこには確かに4人分の席が残っていた。 晴紀「ラッキー!!これで昼食にありつけるぜ!!」 陸「けど、何かおかしくないか?他の席はほとんどが満席なのにこの席だけがら空きなんだぞ。おかしすぎやしないか?」 晴紀「そんなことどうでもいいって。今は昼食が先決だろ。」 陸「まぁ…それもそうだな。」 里香「そういえば、あの席誰か座ってるじゃない。」 晴紀が見つけた席には確かに1人座っている者がいた。 陸「まぁ、相席させてもらえばいいだろうさ。」 晴紀「じゃあ、オレが頼みにいってくるわ。」 晴紀はその席に向かって歩を進めた。
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