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桜の裂く季節がやって来た。
窓の外では、桜達が風に舞うようにして散って行く…。
私は、この季節が好き…。
あの二人に会えるから…。
生まれてから私は、小さい時から病気をして、病院にいるから…。
お見舞いに来るあの二人に会うのが、年に1度の楽しみなの…。
外に出た事のない私の為に二人は、いつも話してくれる。
いろんな、外の世界の事を……。
だから…
私は…
病気に勝って自分の足で、二人と一緒に桜を見るのが夢…。
ねぇ…
今日は、何の話しをしてくれるの…?
ねぇ…
どうして、ママと二人は泣いているの…?
私、此処にいるじゃない?
みんな、泣かないで…。
手を伸ばして抱き締め様とした私の手は、触れる事なく…二人の体を通り抜けた。
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