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ニック『まずは大罪から話す…大罪とは最も悪しき行為とされた七つの行為のこと…傲慢、嫉妬、暴食、色欲、怠惰、強欲、憤怒…これが大罪だ。次に美徳だがこれは大罪に対をなす。
忠実、貞節、知恵、愛、希望、慎重、勇気の七つだ』
棗『…それを司ってるのって天使と悪魔だよね??』
普通の歴史とは別に魔法の歴史について勉強したときに七人の天使と七人の悪魔の話を先生がしていたのを思いだした。
ニック『そうだ…』
棗『でもなんで魔眼としてそんなのが存在するの??』
ニック『三百年前に戦争があったことは主は知っているか??』
棗『うん。七人の英雄達が魔族達を1度滅ぼした戦争でしょ??』
ニック『その七人は主と同じ魔眼を所有していた』
棗『【美悪の瞳】を??』
ニック『そう…しかしそれ以来その魔眼は誰にも発現しなかった…つまり…また三百年前の戦争がなんらかの理由で始めるのではないかということだ…天使と悪魔は直接的に人界に手を出せない…ならば人間の手を借りれば倒せる…それが【美悪の瞳】のルーツだ』
棗『つまり…もし仮にこの左目が【美悪の瞳】なら…この魔眼の発現が…戦争が始まるきっかけということ??』
ニック『そうなる…。魔族達がこのことを知ったら…殺しにくるだろう』
すると棗の顔が少し青ざめて、下をうつむく。
棗『なら…間違いないよ…僕の家は1度襲われて僕だけが生き残ったんだよ…?』
ニックははっとした顔で棗を見る。
ニック『ならば…間違いないだろう…主の左目は…【美悪の瞳】だ…』
二人はそれだけいうと沈黙した。
部屋の時計の音がやけに大きく聞こえた。
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