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待ちぼうけ……。
それは岸田じゃなく僕かもしれない。
パトカーに案内されてから僕は待っている。取調室でも待っていた。
唯一の救いはエンジンがかかっている事。アイドリング万歳!not議定書。そして時折無線には小さな事件を知らせる声が聞こえた。
時間にしてどれくらい過ぎた頃か……江田という刑事さんが助手席のドアを開け『お待たせ』と恋人の待ち合わせの様に声を掛けてきた。
ドアを荒く閉め、運転席側に周る。
何故1回助手席を開けたのだろうか……今回はスルーしよう。
僕は窓に近付き外の様子を確認する。すると前に停まっているパトカーに薫子が乗り込んでいた。
『皆終ったのか』
僕はつぶやいた。
さらに外を確認する。薫子が乗り込んだパトカーより、さらに前に停まっているパトカー。
3台縦列停車している先頭のパトカーの脇に永井さんと……岸田!?
永井さんは何か岸田に声を掛けてからパトカーに乗り込んでいった。
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