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『彼とは……金曜日に会っただけですか?』
バックミラー越しに一瞬だけこちらへ視線を向け、刑事さんは問掛けた。
『この事件が出会うきっかけです』
僕はそう答えた。静かな車内に左折を教えるウィンカーの音が脈を打つ。
ハンドルを切りながら刑事さんは『それにしては親密な感じに見えましたよ……』と、挑発的な発言をした。
僕は疑われているのだろうか?
岸田を疑っているのだろうか?
まだ事件を疑ってくれている刑事さんがいてくれた事。それが素直に嬉しかった。
『親密ですか?そうかな……』
『振り返り、見えなくなるまで……まるで恋人の様だ』
確かにそりゃそうだ。付き合い始めたばかりの初々しいカップルか!?と突っ込みがはいっても文句は言えないだろう。
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