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そんな自分の世界に入り浸っているウカレウサギの足元に小さな小さな芋虫の姿を発見した。
芋虫は明らかに嫌そうな顔をした。
「いやぁ、いやぁ、芋虫さん、今日は実に素晴らしい日ではないですか。空は快晴、風は穏やか。実に素晴らしい!貴方も今日は其の殻から出て一緒に散歩でも如何ですか?」
「悪いが遠慮させて…」
「遠慮なんて結構、さぁさぁ行きましょう、さぁ、今日は実に素晴らしい!散歩日和だ!!」
「人の話を」
「さぁさぁ、離れず遅れず着いてきて下さいよ!!」
ウカレウサギは芋虫の話も全く聞かず、芋虫を置き去りにして何処かへ楽しそうに行ってしまった。
芋虫はウカレウサギを放って寝入った。
やぁ、お花達、君達は今日も美しい。
陽射しと云うスポットライトが更に美しく魅せてくれるね。
今日は実に素晴らしい!
やや、少し陽射しが強すぎるかな?
枯れてしまっては大変だ、日傘でも…
花に捲し立てるように話し掛けていると、奥にお茶会を催しているネムリネズミと帽子屋を見付けた。
するとウカレウサギは駆け足でテーブルへ駆け寄った。
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