ウカレウサギの浮かばれない一日。

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「やあ、ネムリネズミのネムリンに小さな帽子屋君。今日と云う素晴らしい日にお茶会とは実に洒落ているではないか。ご一緒しても?」 「ダメ!って云うか誰がチビだコラ!!」 「ん~、実に良い香りだ。おっと、スコーンを一つ頂くよ。あぁ、其処のストロベリージャムを取ってくれないか。あぁ、此れは美味しいお茶だ。」 ズズズ、と音を立てながらお茶を飲み、食べかすをボロボロ落としながらお菓子を食べ始めた。 帽子屋はテーブルをバンッと叩くと勢いよく立ち上がった。 「オイ、誰が食べて良いって…ああっ、食べかすを落とすな!!もう少し綺麗に」 「おや、お茶の途中に席を立つのはマナーがなってないじゃないか。君はまだまだ子供だね。ハハハハハハ。」 大笑いするウカレウサギに帽子屋はカッとなって手元にあったケーキを投げ付けた。 するとウカレウサギは大きく口を開けてケーキを食べ、皿まで食べてしまった。 「なんと、此のケーキは歯応えがあるのか。実に素晴らしい!新種のケーキかね?味もなかなか素晴らしいじゃないか。おっといけない、日が沈んでしまう。私は此れで失礼しよう。」
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